
生理前の肌荒れがひどい理由とは!スキンケアや薬による対策を紹介
2025.10.16
ホルモンバランスの変化によって、生理前にはニキビや赤み、かゆみといった肌トラブルが出やすくなります。特に黄体ホルモンの分泌が高まる時期は皮脂が過剰になり、毛穴が詰まりやすくなることで炎症や肌荒れが悪化しやすい状態です。
生理前の肌荒れには、生活習慣や食事の影響、スキンケアや市販アイテムでできる対策があります。さらに根本的な改善につながる方法があるかどうかも知っておくことが大切です。
生理前の肌荒れがひどいと感じるときは、まず原因を理解し、自分に合った工夫やケアを取り入れることが症状の軽減や予防につながります。
生理前に肌荒れがひどくなる原因とよくある症状

生理前になると肌の調子が一気に崩れ、ニキビや赤みが目立ったり、いつものスキンケアがしみたりすることがあります。特にフェイスラインや口まわりなど目立ちやすい部位にポツポツと吹き出物ができると、毎月のことでも気分が落ち込んでしまいます。
生理前に肌荒れがひどくなりやすい理由と、よくある症状のタイプ、生理前が原因に関係しているかどうかの見分け方を解説します。
生理前はホルモンバランスの変化で皮脂が増えやすくなる
生理前の肌荒れは、ホルモンバランスの変化で皮脂の分泌が増えやすいことが原因にあります。
排卵後から生理までの間はプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンの働きが強くなり、肌が皮脂を出しやすくなります。
皮脂が多くなると毛穴がつまりやすくなり、アクネ菌が増えてニキビの原因になります。さらに生理前は、肌の水分をキープする力も落ちやすいため、乾燥と脂っぽさが同時に起きるゆらぎ肌の状態になりやすくなります。
生理前に肌が荒れるのは、体内の変化によるものであり、スキンケアだけで完全に防ぐのは難しいこともあります。
生理前に出やすい肌トラブルの症状例
肌荒れの原因はひとつではなく、ストレスや生活習慣、スキンケアの影響も考えられるので、まずは「そもそも自分の肌荒れが生理前のホルモン変化によるものなのか」を見分けることが大切です。そのうえでホルモンバランスが関係しているなら、適切な対策を取っていきましょう。
症状の種類 | 特徴 |
---|---|
ニキビ | あごや口まわりに赤く腫れたものが出やすい |
赤み | 軽い刺激で赤くなりやすく、炎症を伴うこともある |
かゆみ | 乾燥や刺激でかゆみを感じやすい |
ヒリヒリ感 | 洗顔料やコスメがしみやすくなる |
皮脂が多いのにカサつく、ヒリヒリするのにニキビも出る、といったちぐはぐな状態になりやすいのも生理前の特徴です。普段と違うトラブルが目立つときは、ホルモンの影響を疑ってみてください。
セルフケアで済む?受診が必要?生理前の肌荒れの目安

生理前の肌荒れが気になるときは、自分の肌の状態が軽度なのか重度なのかを見極め、その段階に合った対処をとることが大切です。
軽めの状態
白い小さなニキビが数個できる、少しかゆみがある程度。保湿や睡眠で整いやすい段階です。
中程度の状態
赤く腫れたニキビが複数出る、洗顔後にヒリヒリする段階。市販薬やサプリの使用も視野に入れると安心です。
ひどい状態
膿んだニキビが繰り返しできる、顔全体が赤くなる段階。皮膚科で相談することが推奨されます。
「いつもの肌荒れ」と片づけず、状態を見極めて適切なケアや受診につなげることが、症状を悪化させないポイントです。
生理前の肌荒れに影響する生活習慣と食事のポイント

肌荒れの原因はスキンケアだけでなく、普段の生活習慣や食事にも深く関係しています。特に生理前は体のバランスが崩れやすく、ちょっとした乱れが肌トラブルを悪化させる引き金になります。
生理前の肌に負担をかけないために見直したい生活習慣や、肌の調子を整える食事のポイントを紹介します。
睡眠不足とストレスを避けて肌の回復力を維持
生理前はホルモンの影響で肌が敏感になりやすく、さらに睡眠不足や強いストレスが加わると修復力が落ちてトラブルが悪化します。
寝不足が続くと自律神経のリズムが乱れ、ターンオーバーが滞りやすくなります。また、精神的な負担が大きいとコルチゾールというホルモンが増え、皮脂分泌や炎症を助長することも知られています。
不安定な時期には特に意識的に十分な睡眠と休養をとることが、肌を守るための基本です。
皮脂を余計に増やすような食生活は避ける

生理前の肌荒れが気になるときは、食事のバランスにも注意が必要です。生理前はホルモンの影響で皮脂の分泌が増えやすい時期のため、脂っこい揚げ物やお菓子など脂質や糖質の多い食事を続けると、さらに皮脂が過剰になりニキビや毛穴詰まりを悪化させやすくなります。
食事で意識したいポイント
- 脂っこい揚げ物や甘いお菓子は控えめにする
- 魚・鶏肉・卵などのたんぱく質をしっかり摂る
- 納豆・レバー・卵黄などビタミンB群を意識して取り入れる
- ブロッコリーやキウイなどビタミンCを含む食材で肌の回復を助ける
ホルモンの影響で不安定になりやすい時期だからこそ、野菜やたんぱく質を不足させず、必要な栄養を整えることが肌を内側から支える対策になります。
肌代謝が下がらないよう水分不足や便秘に注意
生理前は黄体ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすい時期です。老廃物が体内にたまりやすくなることで、肌荒れや吹き出物が悪化する原因につながります。
さらにホルモン変化で体が水分をため込みやすくなるため、水分摂取を控えてしまう人もいますが、それは逆効果。水分が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、くすみや乾燥が目立ちやすくなります。
生理前は水を控えるのではなく、巡りをよくするためにこまめな水分補給を心がけることが、肌荒れを防ぐポイントです。
軽い運動で血流促進・ストレス解消も有効
ウォーキングやストレッチ、呼吸を意識したヨガなどの軽い運動は、滞りやすい血流を改善し、肌に必要な酸素や栄養を届けやすくします。
さらに運動にはリラックス効果もあり、ストレスを和らげて心身のバランスを整える働きがあります。
激しい運動ではなく気分転換になる程度を習慣にすることで、生理前の不調をやわらげやすくなります。
セルフケアと市販アイテムでできる生理前の肌荒れ対策
生理前の肌荒れは、日頃のスキンケアや市販アイテムの工夫である程度やわらげることができます。特に症状が軽度〜中等度であれば、毎日のケアを少し見直すだけで肌の不安定さが和らぐケースも少なくありません。
今すぐ取り入れやすいスキンケアのポイントと、市販の薬やサプリメントを活用する方法を紹介します。
洗顔や保湿を見直すだけでも生理前の肌は安定しやすい

生理前の敏感な肌には、やさしい洗顔としっかりした保湿を基本にしたスキンケアが効果的です。ホルモンの影響でバリア機能が弱まりやすい時期に、洗浄力の強い洗顔料やゴシゴシ洗いをすると、炎症が悪化しやすくなります。
スキンケアのポイント
- 低刺激なアミノ酸系洗顔料を選ぶ
- アルコール・香料フリーの保湿剤を使う
- 化粧水→乳液→クリームの流れで水分と油分を補う
生理前は肌が揺らぎやすいため、刺激を減らした基本ケアを続けるだけでもトラブルの悪化を防ぎやすくなります。
市販薬やサプリメントで内側からサポートする方法もある
スキンケアだけでは物足りないときは、市販の塗り薬やサプリメントを併用するのも選択肢のひとつです。ホルモン変化で皮脂が増える生理前は炎症も起こりやすく、外用薬や栄養補助でサポートすると安心です。
種類 | 具体例 | 期待できる効果 |
---|---|---|
市販の塗り薬 | ペアアクネクリームWなど | 殺菌・炎症抑制、赤ニキビや膿ニキビに対応 |
サプリメント | チョコラBB、DHCニキビ対策サプリなど | ビタミンB2・B6・C・Eで肌代謝をサポート |
ただし即効性はないため、2週間~1ヶ月ほど継続して取り入れることで、生理前に繰り返す肌荒れの予防につながります。
刺激の少ない成分を選ぶと生理前の敏感肌を守りやすい
生理前はホルモンの影響で肌が敏感になり、普段よりも刺激を受けやすい状態です。この時期に使うアイテムは、低刺激で炎症を和らげる成分を意識して選びましょう。セラミドやヒアルロン酸は保湿を高めて乾燥を防ぎ、グリチルリチン酸は炎症をやわらげ、ナイアシンアミドは赤みにアプローチできます。
避けたい成分の例
- エタノール
- 強い香料
- AHAやBHAなどのピーリング系酸
敏感になりやすい生理前こそ今の肌状態に合わせた成分選びが、悪化を防ぐ近道になります。
生理前の肌荒れがどうしてもひどいときは?医療的な対処も含めた選択肢
セルフケアを見直しても、生理前に同じ場所へ赤く痛いニキビが繰り返し出るなど、生活に支障が出るレベルまで悪化することがあります。
そんなときは無理に我慢せず、炎症を抑える治療やホルモンの波をならす医療的な選択肢も検討しましょう。
強い炎症が起こっているときは皮膚科で診てもらう必要あり
ホルモンの影響で皮脂が増える時期は、赤みや膿を伴うニキビが悪化しやすくなります。炎症が強い段階ではセルフケアでは治まりにくいため、外用抗炎症薬や抗菌薬、必要に応じて内服治療で鎮静を図ります。
強い炎症が伴う場合は、早めに受診して炎症を抑えることが、色素沈着や凹凸が残ってしまうのを防ぐことにつながります。
周期的に繰り返す肌荒れはピルでホルモンバランスを安定させる方法が有効

毎月のように同じ部位へ痛みを伴うニキビが出る背景には、ホルモンの急激な変化があります。低用量ピルで分泌の揺れを小さくすると、皮脂過剰や炎症が起きにくい状態に整えやすくなります。
種類 | 肌荒れへの作用 | 費用目安 | こんな人に向いている |
---|---|---|---|
マーベロン | 皮脂分泌を抑えやすく、赤ニキビの改善が期待できる | 月2,000〜3,000円程度(自由診療) | ニキビや脂性肌の悩みを優先して改善したい人 |
トリキュラー | ホルモン変化を自然に近づけ、周期の乱れやPMSに伴う肌荒れを和らげやすい | 月2,000〜3,000円程度(自由診療) | 周期不安定やPMSに加えて肌荒れも出やすい人 |
同じピルでも作用の得意分野は異なるため、肌荒れのタイプや症状の出方に合わせて医師と相談することが大切です。
生理前の肌荒れが改善されないときの受診の目安
ピルの服用などの医療的処置を検討したい目安
- 生理前になると同じ部位に赤く痛いニキビが周期的に再発する
- ホルモン変化の時期に膿を伴うニキビが広がり、顔全体の赤みが続く
- 毎月の肌荒れで色素沈着や凹凸が残りそうで不安を感じる
- セルフケアを2〜4週間見直しても、生理前の悪化パターンが変わらない
周期的に悪化する肌荒れはホルモンの影響が大きいため、炎症コントロールと再発予防を並行することが「その場しのぎ」から卒業する近道です。
ピルによるニキビ改善のメカニズム、いつから効果を実感できるのかの目安期間についてはこちらの記事でまとめています。
自分に合った方法で生理前の肌荒れを改善しよう
生理前に肌が荒れるのは、ホルモンバランスの変化による体の自然な反応ですが、生活習慣やスキンケアを見直すことで症状を軽くすることができます。
それでも繰り返すニキビや赤みに悩む場合は、ホルモンを安定させるピルによる改善も視野に入れると、肌の状態を根本から整えることが期待できます。
最近では、オンライン診療を利用すれば自宅で気軽に診察・処方を受けられるようになっており、忙しい毎日でも無理なく続けられる選択肢として注目されています。
肌荒れに毎月悩まされている方は、ライフスタイルに合わせた方法で、無理のないケアや治療を始めてみることが大切です。