
フリウェル(LD・ULD)とはどんな薬か効果と副作用を徹底解説
2025-07-18
フリウェルは、ルナベルのジェネリックとして保険適用で処方される低用量ピルです。月経困難症や子宮内膜症など、女性特有の疾患に対する治療薬として広く用いられています。
避妊を目的としたピルとは異なり、生理痛の緩和や過多月経の改善を目的に使用される点が大きな特徴です。
フリウェルLD・ULDの違い、あすか・モチダといった製薬会社による製品の差、治療効果が期待できる症状、副作用、飲み方、価格、そして受診・処方の流れまでをわかりやすく解説します。
フリウェルの処方を検討している方が、安全に治療を始められるよう、必要な情報を網羅的にまとめたガイドです。
フリウェルとは?ルナベルのジェネリックとして使われる治療薬
フリウェルは、ルナベルと同じ有効成分を含む後発医薬品(ジェネリック)で、月経困難症や子宮内膜症の治療に保険適用で処方されるホルモン剤です。
主に、生理に伴う慢性的な痛みや体調不良の緩和、病気の進行抑制を目的として使用されるので、一般的な避妊用ピルとは用途が異なります。
フリウェルの処方目的や、LD・ULDの使い分け、製薬会社による仕様の違いなど、服用前に知っておきたい基本情報をまずは確認しましょう。
フリウェルの主成分と主な処方の目的
フリウェルに配合されているノルエチステロンとエチニルエストラジオールという2種類の女性ホルモンは、生理周期の安定やホルモンバランスの調整に効果を発揮します。
ホルモンの作用により、排卵が抑制されるほか、子宮内膜の増殖も抑えられ、経血量の減少・生理痛の緩和・不正出血の予防など、月経関連のさまざまな不調の改善が期待されます。
特に、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方されるケースが多く、先発薬ルナベルと同様に保険適用が認められている治療薬です。
避妊を目的としたピルとは使用目的が異なり、女性ホルモンの周期的な変化によって起こる慢性的な不調をコントロールするために使用されます。
月経痛や炎症が日常生活に支障をきたすほど重い場合には、フリウェルによるホルモン療法が選択肢となります。
日常生活に支障がでるほどではないPMSや生理痛にはフリウェル以外のピルでも十分に効果を発揮するケースがあり、費用も安く抑えられることも多いです。
服用の目的別におすすめのピルはこちらの記事でチェックできます。
フリウェルLDとULDの違いをわかりやすく解説

フリウェルにはLD(低用量タイプ)とULD(超低用量タイプ)の2種類があり、女性ホルモン(エチニルエストラジオール)の含有量が異なるため、効果・副作用の強さが変わります。
タイプ | エストロゲン量 | 特徴 |
---|---|---|
LD | 0.03mg | 症状が強い人向け。効果が高い一方、副作用のリスクもやや高め |
ULD | 0.02mg | 副作用が出にくく、敏感な人に処方されやすい |
フリウェルULDほうがLDよりもエストロゲン量が少ないため、副作用が出にくく、体への負担がより少ない設計になっています。
一方で、エストロゲン量が多いフリウェルLDのほうが、月経困難症などの治療効果を実感しやすい傾向があります。
吐き気・乳房の張りなどが強く出やすい人には副作用リスクの低いがULDが向いていますが、PMSや生理痛など解消したい症状を抑える効果を重視する人にはLDが向いています。
効果と副作用のバランス、そして自分の体質にあわせて最適なほうを選ぶ必要があるので、自己判断で選ぶのではなくまずは医師に相談することが大切です。
医師は、症状の重さや年齢、副作用の出やすさなどをふまえて、どちらを処方するかを判断します。
あすかとモチダなど製薬会社ごとの違い
フリウェルは、あすか製薬と持田製薬など複数の製薬会社から販売されているジェネリック医薬品です。主成分や治療効果は同じでも、製造元によって使用感や外観に違いがあるため、継続的に服用する人にとっては重要な比較ポイントとなります。
すべての製品が厚生労働省の承認を受けた同等の薬剤であり、効果や安全性に差はありません。
製薬会社ごとの主な違い
- シートのデザインや印字:飲み間違いを防ぐための工夫が異なる
- 錠剤の形・色・大きさ:視覚や触感の印象に差がある
- 添加物:体質によっては違和感の原因になることも
- パッケージ表記:薬剤名や箱のデザインが異なる
同じフリウェルという名称でも、医療機関によって取り扱うメーカーが異なり、服用中に製薬会社が切り替わるケースもあります。
飲み慣れていた製剤と異なる使用感に戸惑うこともあるため、処方時にどのメーカーの製品かを確認しておくと安心です。
作用の違いはないため、医師と相談のうえで、自分にとって飲みやすく継続しやすい製品を選びましょう。
LDかULDか迷ったときはまずは医師に聞いてみることが大切です。自己判断では最適な種類が選べず、悩んでいる症状の改善が遅れてしまうこともあります。
オンライン診療対応のクリニックあれば通院の手間なく医師に気軽に相談できるので、「どれが自分にあっているのかわからない」という方はぜひ利用してみてください。
フリウェルの効果!服用で改善が期待できる症状

フリウェルは、月経にともなうつらい症状を軽減し、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされる不調を改善するために使用される薬です。
排卵抑制と子宮内膜の増殖抑制を中心とした作用機序により、痛みや出血、炎症など複数の症状を同時に和らげることができます。
フリウェルが特に有効とされる代表的な症状と効果が出るまでの目安期間を解説するので、自分の悩みの解決にフリウェルは有効なのかチェックしてみてください。
生理痛・過多月経・子宮内膜症への作用
フリウェルが用いられる主な症状
- 生理時の強い腹痛・腰痛
- 吐き気・頭痛などの随伴症状
- 子宮内膜症による骨盤痛や不妊
- ホルモン変動に伴う体調不良
フリウェルは、月経困難症や子宮内膜症など複数の婦人科疾患に効果がある治療用ピルとして広く処方されています。
排卵を抑制することで、子宮の収縮が緩やかになり、強い月経痛の緩和が期待できる点が大きな特徴です。
さらに、子宮内膜症に対しては、内膜の異常な増殖を抑える作用により、炎症の進行や病変の拡大を防ぐ治療効果があります。
また、子宮内膜の増殖を抑えることにより、経血量の減少や不正出血の予防といった副次的なメリットも得られます。
フリウェルはホルモンの働きを調整することで、1種類の薬で複数の症状をまとめてコントロールできる点が大きな利点です。
フリウェルの効果がでるまでの目安期間
フリウェルの効果は、服用開始から1〜3か月ほどで実感されることが多いです。
初回シートの段階で生理痛が軽くなったり、出血量の変化を感じる人もいますが、ホルモンバランスが安定するには一定の時間がかかります。
服用を継続することで効果が定着しやすくなり、3周期目以降には不快症状がかなり軽減されるケースもあります。
効果の出方には個人差があるため、早い段階で判断せず、医師の指示に従って継続して経過を見ることが大切です。
フリウェルに避妊効果がないといわれる理由

フリウェルはホルモン配合薬ですが、避妊を目的とした薬ではなく、治療目的で設計された医薬品です。
低用量ピルと同じように排卵抑制の作用はありますが、避妊効果を保証するものではなく、製剤設計もその目的には最適化されていません。
特に、ULD(超低用量タイプ)では排卵を完全に抑制しきれないこともあるため、避妊を希望する場合には別の方法を併用する必要があります。
治療薬として服用する際は、避妊を前提にせず、あくまでも月経症状やホルモン異常の改善に集中するのが基本です。
フリウェルの副作用を軽度~重度のものまで紹介
副作用の種類 | 具体的な症状 | 発生時期の傾向 |
---|---|---|
消化器症状 | 吐き気、胃の不快感 | 服用初期(1~2週間) |
出血 | 不正出血(予定外の少量出血) | 服用開始~2周期程度 |
乳房の症状 | 張り・違和感・軽い痛み | 初期~継続的に起こることあり |
気分の変化 | イライラ、気分の落ち込み | 服用初期~個人差あり |
フリウェルは治療効果が期待できる一方で、ホルモンバランスに影響を与える薬であるため、副作用が出ることもあります。
フリウェルの副作用は、服用初期に見られる一過性の反応から、まれに発生する重大な症状まで幅広くあります。あらかじめ知っておくことで安心して服用を継続できるので、よくある副作用の内容とその対処法、血栓症などの重い症状のリスクについても確認しておきましょう。
フリウェルの服用でよくある副作用
フリウェルの服用によって現れる副作用としては、吐き気や乳房の張り、頭痛、不正出血、気分の変化などが比較的よく見られます。
特に服用開始から1~2シート目の期間は、ホルモンの変化に体が適応しきれていない状態であり、こうした軽度の症状が出やすくなります。
不正出血は予定外のタイミングで出血が起こることを指し、1~2周期以内で自然と落ち着いていくことが多いです。
吐き気やだるさは、食後に服用する、あるいは服用時間を一定にすることで軽減できるケースもあります。
日常生活に支障がない程度であれば、まずは数シート分継続して様子を見ることが推奨されます。
ただし、生活に支障があるほど症状が強い場合は早めに医師に相談し、剤型の変更や一時中断を検討する必要があります。
血栓症などフリウェルの服用による危険な副作用
フリウェルを含むホルモン治療薬では、ごくまれに血栓症と呼ばれる重篤な副作用が報告されています。
血栓症は、血管内に血のかたまり(血栓)ができて血流を妨げる状態で、肺塞栓症や脳梗塞、心筋梗塞などにつながるおそれがあります。
初期症状としては、ふくらはぎの痛みや腫れ、急な呼吸困難、胸の痛み、視界の異常、手足のしびれなどが挙げられます。
特に喫煙者や肥満、高齢者、長時間同じ姿勢をとることが多い人はリスクが高くなるとされており、服用の際には十分な注意が必要です。
重大な副作用は確率としては非常に低いものの、初期兆候を見逃さず、少しでも異変を感じたときには速やかに受診することが大切です。
フリウェルの服用期間中も定期的な診察と血液検査を受けることで、安全性を高めながら治療を継続できます。
フリウェルの副作用が続く場合の対処法・受診目安
フリウェルの服用によって不正出血や吐き気、気分の落ち込みなどの副作用が現れることがありますが、多くは服用初期の1〜2周期以内に自然に落ち着くとされています。
ただし、フリウェルの服用開始から長期で副作用が続いている、または悪化していると感じる場合には、自己判断で継続せず、早めに医師へ相談することが重要です。
医師への相談が推奨されるケース
- 不正出血が3周期以上続く
- 吐き気で食事がとれない・日常生活に支障がある
- 気分の落ち込みが強く、メンタル面で影響がある
医師との相談により、フリウェルの服用時間の調整や食後服用への変更、LDからULD(またはその逆)への切り替えといった対処法が取られることがあります。
また、症状が重いときは血液検査や超音波検査を併用し、体調を確認しながら継続の可否を判断するケースもあります。
副作用があるからといってすぐに中止せず、フリウェルが本当に自分に合っているかを医師と話し合いながら見極めることが、安心・安全な服用につながります。
フリウェルの飲み方と注意点
フリウェルは1日1錠を決まった時間に飲むことで、安定した効果を発揮する治療薬です。
飲み始めのタイミングや服用方法を誤ると、効果の低下や体調の変化につながることがあるため、正しい知識をもとに服用を管理することが重要です。
フリウェルの服用開始の流れと継続時のポイント、そして飲み合わせに注意すべき薬やサプリメントについて解説します。
フリウェルの服用を始めるタイミングと継続の流れ
フリウェルの効果を安定して得るには、正しいタイミングでの服用開始と、継続的な服用習慣が欠かせません。
医療用ピルであるフリウェルは、医師の診察・処方に基づき、通常は月経初日または2日目から服用を開始します。
1日1錠を同じ時間に飲むのが基本で、28錠タイプが主流。偽薬(プラセボ)を含むことで、休薬期間なしで毎日服用を続けられます。
飲み忘れがあるとホルモンバランスが乱れ、不正出血や体調不良の原因になることもあるため、スマホのアラームや専用ピルケースを使った管理がおすすめです。
治療効果を最大限に引き出すためには、自己判断で中止せず、医師と相談しながら継続していく姿勢が大切です。
フリウェルの併用禁忌薬は?飲み合わせの注意
フリウェルの効果や安全性を保つためには、他の薬やサプリとの飲み合わせに細心の注意が必要です。
一部の薬には、フリウェルの有効成分の代謝を促進してしまい、治療効果を下げてしまうものがあります。
フリウェルとの併用に注意したい薬など
- 抗生物質:リファンピシン など
- 抗てんかん薬:カルバマゼピン、フェニトイン など
- サプリメント:セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)含有製品
- 漢方薬:ホルモンバランスに影響を与える可能性のあるもの
フリウェルと併用注意の薬を使用すると、ホルモンの作用が弱まり症状の改善が見込めなくなるだけでなく、副作用が強く出ることもあります。
市販薬やサプリメントも含めて、現在服用中のすべての薬を医師や薬剤師に伝えたうえで、安全な治療を進めましょう。
特に持病があり慢性的に他の薬を服用している人は、事前に相互作用のリスクを確認しておくことが安心につながります。
フリウェルの価格と保険適用の有無!ジェネリックならではの特徴
フリウェルは、先発薬ルナベルのジェネリック医薬品であり、保険適用が受けられることで経済的な負担を抑えながら治療を継続しやすい点が特徴です。
処方目的や診療形態によって費用に差が出ることもあるので、保険の対象範囲、保険適用の有無による差をあらかじめ把握しておきましょう。
保険適用の有無によるフリウェルの費用差
条件 | 薬代 | 診察料込みの総額目安 |
---|---|---|
保険適用あり(3割負担) | 約500~900円 | 1,500~3,000円程度 |
自費診療 | 約1,500~3,000円 | 2,000~4,000円以上になる場合も |
フリウェルは月経困難症や子宮内膜症と診断された場合、治療目的での処方となり保険適用の対象になります。
保険が適用されると、1シート(28日分)の自己負担は3割としておおよそ500〜900円程度となり、診察料を加えても1回の通院で2,000〜3,000円前後が目安です。
一方、症状が明確に診断されていない、あるいは避妊目的などの任意処方と判断された場合は、自費扱いとなり、1シートあたり1,500〜3,000円程度に上がることがあります。
診療機関によっては初診時に検査が必要な場合もあるため、初回だけ費用が高くなるケースもあります。
継続して服用する薬であるからこそ、保険適用かどうかは事前に確認しておくと安心です。
フリウェルと先発薬ルナベルの費用差
フリウェルは、ルナベルと同一成分・同一効能を持つジェネリック医薬品として承認されており、製造コストが抑えられている分、薬価も低く設定されています。
実際に、フリウェルはルナベルと比較して1シートあたり数百円程度安価であり、保険適用時の自己負担額にも差が出ることがあります。
ジェネリックであることによって経済的な負担を軽減しつつ、治療の継続性を保ちやすくなる点が、フリウェルのメリットです。
ただし、製剤の添加物や見た目が異なることもあるため、継続使用中に薬が変わる場合は薬局や医師からの説明を受けたうえで確認しましょう。
費用を抑えたい場合や長期治療を前提とするなら、ジェネリックであるフリウェルは現実的かつ安心して選べる選択肢です。
フリウェルを処方してもらうには?診察の流れとおすすめの受診方法
診療方法 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
対面診療 | 内診・検査がその場で受けられる。医師と対面で相談可能。 | 初めての服用、症状が重い人 |
オンライン診療 | スマホ・PCから受診。薬は自宅に配送される。 | 通院が難しい人、継続処方を希望する人 |
フリウェルは市販薬ではなく、医師の診察と処方が必要な医療用ピルです。
処方までの流れや診療スタイル(対面・オンライン)を把握しておくことで、初めての受診でも戸惑わずに治療を始めやすくなります。
婦人科でのフリウェルの処方フロー
フリウェルを対面で処方してもらうには、婦人科やレディースクリニックでの受診が必要です。
フリウェル処方の流れ(対面診療)
- 問診票の記入・症状のヒアリング
- 必要に応じて内診・エコー・血液検査
- 医師の診断に基づき処方
- 薬局で1〜2シート分を受け取り
- 1〜3か月ごとに再診・継続処方
治療目的で処方されるフリウェルは、保険が適用されるため、診察・検査・薬代を含めても自己負担が抑えられます。
また、症状の変化やライフスタイルに応じて、LD・ULDの使い分けや処方期間を調整することも可能です。
フリウェルはオンライン診療で処方を受けられる?
フリウェルは月経困難症や子宮内膜症といった慢性的な症状に使われる治療用ピルです。
継続して服用する必要がある薬でなので通院の手間を省けるオンライン診療との相性が良く、忙しい方や婦人科が近くにない方にも広く利用されています。
診療予約
医療機関のサイトやアプリから診療予約を行います。
問診・診察
問診票を記入し、医師とのビデオ通話で診察を受けます。
処方・発送
処方が決定すると、薬局または医療機関からフリウェルが発送されます。
自宅で受け取り
数日以内に自宅に届き、次回以降の継続予約も可能です。
初めてフリウェルを服用する場合や、副作用に不安がある方は、医師との対面診療が推奨されるケースもありますが、症状が安定していて継続処方を希望する場合は、オンライン診療を活用することで通院の負担を減らしながら治療を続けることが可能です。
フリウェルを治療目的で処方してもらいたい方はまずはクリニックへ相談
フリウェルは、生理痛や子宮内膜症などに対する確かな治療効果が期待できる一方で、ホルモンバランスに関わる薬であるため、医師の管理のもとで使用することが前提です。
自己判断での服用や継続は、副作用や体調悪化につながる可能性があるため、婦人科やオンライン診療を通じて医師に相談することが大切です。
診察では、症状やライフスタイルに応じてLDとULDのどちらを使うか、副作用リスクをふまえた処方の調整が行われます。
不安や疑問があるときは遠慮せずに伝えることで、医師から適切なサポートを受けやすくなります。
安心して治療を始めたい方は、信頼できる医療機関に相談し、自分の体調に合った方法でフリウェルの服用をスタートしましょう。