AGAは治る?AGA治療の期間・経過ややめたらどうなるかを解説

AGAは進行性の脱毛症であり、治療なしで症状が再発しなくなることを「完治」とするならば、残念ながら完治することはありません。しかし、適切な治療を継続することで薄毛の進行を抑え、健康な髪を維持することは可能です。

この記事では、AGA治療の期間や経過、そして治療を中断した場合の影響について解説します。

AGAは治るのか?完治が難しいといわれる理由とは

AGAは完治が難しいですが、クリニックで適切な治療を受ければ治ったと感じるレベルまで改善させることができる病気です。

しかし、AGAは発症したら終わりといわれることがあり、薄毛が気になり始めると不安を感じる方も多いはずです。

まずはAGAの原因や発症の仕組みから、AGAが発症したら終わりといわれる理由や治る可能性があるのか解説します。

AGAが発症したら終わりといわれる理由

AGAは男性ホルモンの乱れや遺伝の影響を受け、脱毛ホルモンが増えてヘアサイクルが乱れることで抜け毛や薄毛が目立つようになる病気です。

男性ホルモンのAGAへの影響

AGAが発症したら終わりといわれる理由は、主に次の3つです。

AGAは発症したら終わりといわれる主な3つの理由
  • AGAは治療が遅れると完治が難しくなる
  • AGAは放っておいて治ることはない
  • AGAはセルフケアだけで改善するのは難しい
  1. AGAは治療が遅れるほど回復が難しくなる

    AGAは早期に治療を始めることが、改善の可能性を高める鍵となります。

    AGAは進行性の脱毛症であり、発症後は少しずつ薄毛や抜け毛が進行していきます。しかも、髪の毛は一生のうちに繰り返せるヘアサイクルの回数が限られているため、放置すればするほど健康な髪を再生する力が弱くなってしまいます。

    ヘアサイクルが大きく乱れた状態が長期間続くと、医療機関で治療を開始しても十分な改善が得られないケースもあるため、「AGAは発症したら終わり」と言われることもあります。

    AGAは早期発見・早期治療が何よりも重要です。「最近抜け毛が増えた」「髪のボリュームが減った気がする」など、少しでも異変を感じたら、まずは自分の症状がAGAに該当するかどうかを確認してみましょう。

    AGA治療を考えていても、「本当に始めるべきなのか」「しない方がいいのでは」と不安を感じる人も少なくありません。AGA治療の副作用の危険性や費用、通院にかかる継続的コストについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

  2. AGAは放っておいて治ることはない

    AGAは、放っておいて自然に治ることはありません。

    治療には時間や費用がかかるため、最初から治療をせずに様子を見たいと感じる方もいるかもしれません。しかし、AGAは進行性の脱毛症のため、何も対策をしなければ抜け毛が少しずつ進行し、将来的に髪がほとんど残らなくなる可能性もあります。

    一方で、クリニックで適切な治療を受ければ、脱毛の進行を抑えることができ、発毛効果によって見た目を改善できるケースも多くあります。内服薬や外用薬を継続的に使うことで、抜け毛を防ぎながら髪の量を保つことが可能です。

    そのため、AGAを放置せず、早めに治療を始めることが将来の後悔を防ぐためにも重要です。

  3. AGAはセルフケアだけで改善するのは難しい

    AGAの進行を抑えるには、セルフケアだけでは不十分です。

    たしかにAGAは、ストレスや生活習慣の乱れといった環境要因とも関係しており、質の良い睡眠や栄養バランスの取れた食生活を意識することで、ある程度の予防や頭皮環境の改善にはつながります。

    しかし、セルフケアではAGAの主な原因である脱毛ホルモン(DHT)の生成を抑えることができないため、根本的な改善には至りません。特に進行が早いケースでは、早期に医療介入をしなければ、後からクリニックで治療を始めても思うような効果が得られない可能性もあります。

    最近になって薄毛が気になり始めた方や、10代・20代など若い世代の場合でも、できるだけ早めにクリニックを受診することで、高い治療効果が期待できます。

AGA治療を考えていても、「本当に始めるべきなのか」「しない方がいいのでは」と不安を感じる人も少なくありません。AGA治療の副作用の危険性や費用、通院にかかる継続的コストについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

AGAは完治できるのか?根本改善が難しい理由と治療方法

現在AGAを完治させる治療法は見つかっておらず、クリニックで行うAGA治療法はすべて進行を遅らせるか現状維持を目的としたものです。

そのため、クリニックで治療を受けたからといってAGAを完全になくし、再発させないレベルまで完治させることはできません。

AGAの完治が難しい理由は、AGAは限られた回数しかできないヘアサイクルを短縮させる上に、ヘアサイクルが終わった頭皮からもう一度髪を生やすことができないためです。

ヘアサイクルは通常2~6年の周期で行われますが、AGAを発症すると成長期がなくなり、ヘアサイクルが数ヶ月~1年程度まで短縮されてしまいます。

正常なヘアサイクルとAGAのヘアサイクル

ヘアサイクルが行われる回数は生涯で決まっているため、AGAによってヘアサイクルが短縮されることで通常の何倍も早くヘアサイクルが終了することになります。

ヘアサイクルが終わった頭皮から毛が生えてくることはなく、ヘアサイクルが行われない頭皮からもう一度髪を生やす方法はまだ解明されていないため、AGAを完治させることができません。

AGA治療の方法とそれぞれの目的

クリニックで行われるAGA治療の主な方法と目的は次のとおりです。

治療の種類 治療方法 目的
投薬治療 ・内服薬や外用薬で脱毛ホルモンの働きを抑制する
・ヘアサイクルを正常化させて発毛を促す
脱毛ホルモンの働きを抑えてAGAの進行を遅らせる
・ヘアサイクルを正常化させてAGAの進行を遅らせる
・髪を増やして薄毛を目立たなくする
注入治療 髪の成長や発毛に必要な成分を頭皮に注入する ・髪を増やして薄毛を目立たなくする
・ヘアサイクルを正常化させてAGAの進行を遅らせる
自毛植毛 髪が薄くない部位の毛を薄い部位に移植する AGAが進行した部位の毛をAGAになりにくい毛に変える

投薬治療や注入治療は、基本的にAGAの進行を遅らせたり毛を生やして薄毛を目立たなくさせたりすることを目的に行われます。

一方、自毛植毛はAGAが発症していない部位の毛を移植するため、移植後はAGAによって薄くなっていた部位の毛が半永久的に生え続けるのが大きな特徴です。

ヘアサイクルが続く限り毛は生え変わり続けるため、完治と呼べるレベルまで改善させる効果が期待できますが、100万円以上費用がかかることがあり、ダウンタイムなどのリスクもあります。

そのため、自毛植毛はAGAがかなり進行した場合のみ行われることが多く、基本的には費用が安い投薬治療から開始することがほとんどです。

AGA治療はどれくらいの期間で効果が出る?治るまでの目安

AGA治療の期間の目安

AGAは進行性の脱毛症であるため、治療をすれば完全に治癒して、その後は何もケアをしなくても良いというわけではありません。AGA治療の最大の目標は、薄毛の進行を食い止め、健康な髪の毛を維持することです。

完治しないのであれば、AGA治療をいつまで続ければいいのか疑問に思う方も多いはずです。そこで、治療方法ごとにAGA治療の期間の目安を解説するので、ぜひ参考にしてください。

治療方法別のAGA治療の期間の目安

AGA治療の期間の目安は、次のようになっています。

治療方法 期間
投薬治療 一生涯(薬を減らすことは可能)
注入治療 一生涯(1クールは6ヶ月~1年)
自毛植毛 一度の施術のみ

投薬治療の場合は薬の服用をやめると、AGAが再発する可能性があるため基本的に一生涯服用を続けていく必要があります。

医師の判断によって薬を減量することもありますが、副作用や体調の変化などの特別な事情がない限り薬の服用を中止することはありません。

注入治療は6~16回程度の施術を1クールとしており、6ヶ月~1年で1クールの施術が完了します。注入治療も投薬治療と同じように治療をやめると効果がなくなる施術です。

そのため、注入治療による効果を維持したい場合は、1クール終了後も定期的に治療を受ける必要があります。

自毛植毛は一度施術を受ければ半永久的な効果が得られるため、髪が定着するまで数回通院するだけで、投薬治療や注入治療のように一生涯通院する必要はありません。

AGAが再発しても気にならない場合は治療をやめることもできる!

AGAが治ったと感じるかどうかは個人差があり、目指すゴールによって異なります。

抜け毛や薄毛が再発しないようにすることを目標とする場合は、基本的に一生涯AGA治療を続ける必要がありますが、加齢に伴って薄毛でも気にならなくなった場合は、その時点でAGA治療を中止することが可能です。

また、気になっている薄毛が改善されてある程度髪が生え揃った段階で満足できる方であれば、AGAの効果が出た時点でAGA治療をやめても問題ありません。

それぞれの目標に合わせてAGA治療の期間は変わってくるので、まずは治療後の理想のイメージを考えて医師に相談するのがおすすめです。

AGA治療薬を減らすタイミングの目安

AGA治療薬を減らせるかどうかは、治療の効果が安定してきたかどうかが大きな判断基準となります。

治療薬は主に2種類に分かれます。ひとつは、AGAの原因とされるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えて抜け毛を予防する薬(フィナステリドやデュタステリドなど)。もうひとつは、髪の成長を促進する発毛薬(ミノキシジルなど)です。

治療初期は、この2種類を併用して進行を抑えつつ発毛を促すのが一般的ですが、髪の密度やハリが十分に改善され、一定期間その状態を維持できるようになれば、医師の判断のもとで薬の種類や量を減らしていくことが検討されます。

たとえば、見た目の改善に満足できた場合は、発毛薬を中止して抜け毛予防薬のみを継続するケースもあります。反対に「もっと増やしたい」という場合は、現状の治療を維持することもあります。

AGA治療薬を減らすタイミングは、髪の状態や本人の希望、医師の診断を総合的に見て決めるべきものであり、一律の目安はありません。自己判断で減薬や中止をせず、必ず医師と相談しながら進めることが大切です。

自己判断で治療薬を減らすのは禁物

AGA治療薬を減らすタイミングは、自分で判断するのではなく、必ず医師に相談し指示に従うことが大切です。自己判断で薬を減らしたり、中止したりすると治療の効果が得られなくなったり、せっかく改善した薄毛がもとに戻ってしまう可能性があります。

AGA治療の効果を最大限に引き出し、健康な髪の毛を維持するためにも、医師との連携を密にしながら治療を継続していくことが重要です。

AGA治療で治ったと実感するまでの経過

AGA治療は、すぐに効果を実感できるものではありません。治療をスタートさせたからといってすぐに効果が出るわけではなく、焦らず根気強く治療を続けることが何よりも大切です。

AGA治療の開始からの経過と変化

AGA治療の経過は、患者さん一人ひとり、そしてAGAの進行度合いによっても大きく異なってきます。 ここでは、一般的なAGA治療の経過を説明します。

AGA治療の期間と治療の経過
治療開始直後

体内のヘアサイクルを正常化していくための準備期間です。 AGA治療薬の効果によって、それまで乱れていたヘアサイクルが整えられ、健康な髪の毛が育ちやすい頭皮環境へと改善していきます。

この時期は、まだ目に見える効果はほとんど感じられず、本当に効果があるのかと不安になるかもしれません。 しかし、これはこれから始まる長い治療の道のりのとても大切な基礎作りをしている段階です。

治療開始から数ヶ月

治療を続けていくうちに、抜け毛が減ってきたと感じる方が増えてきます。 これは、AGA治療薬の効果によってヘアサイクルが正常化し、髪の毛の成長期が長くなってきたためです。

しかし、この段階では、まだ発毛効果を実感できる方は少なく、むしろ治療開始後から抜け毛が増えた気がすると訴える方もいらっしゃいます。 これは「初期脱毛」と呼ばれる現象で、AGA治療開始後によく見られる一時的な抜け毛増加です。

初期脱毛は、決して症状が悪化しているわけではなく、むしろ治療の効果が現れ始めているサインです。 新しい髪の毛が生えてくるための準備段階として、古い髪の毛が抜け落ちていきます。 そのため、初期脱毛が起きても不安になる必要はありません。

半年~1年

治療開始から半年ほど経つと、抜け毛が減るだけでなく、髪の毛にコシやハリが出てきたと感じる方が増えてきます。 これは、AGA治療薬の効果で、髪の毛が太く成長するようになった結果です。 この時期になると、周りの人から「髪の毛が増えた?」と言われることもあるかもしれません。

2年以上

多くの場合、2年以上治療を続けることで、AGA治療の効果が安定してきます。 個人差はありますが、理想的なヘアサイクルに近づき、健康な髪の毛を維持できるようになります。

このようにAGA治療は、治療開始からすぐに効果を実感することは少ないため、継続が重要です。

効果が現れるまでの目安

AGA治療の効果を治療開始から3ヶ月で実感する人もいれば、1年以上かかる人もいるため個人差が大きいです。 効果が出るまでの期間は、AGAの進行度合いや体質、生活習慣、そして治療に対する反応性などによって異なります。

例えば、AGAが初期段階であれば、比較的早く効果が現れやすいです。 反対に、AGAが進行した状態であれば、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。

健康的な生活習慣を送ることも重要です。 栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動などは、健康な髪の毛を育てるための土壌作りです。

医師やクリニックの指示に従いながら、焦らずに治療を続けることがAGA治療の成功へと繋がります。

AGA治療をやめたらどうなる?

治療開始から数ヶ月経って髪の毛にコシが出てきたり、産毛が生えてきたりすると、治療を自己中断してしまうケースが見受けられます。

ここでは、AGA治療を中断した場合にどうなるのか、詳しく解説していきます。

AGA治療を休止するとどうなるか

AGA治療を中断すると、多くの場合、せっかく改善しつつあった薄毛が再び進行してしまいます

AGAは、髪の毛を作り出すヘアサイクルの成長期が短縮し、十分に成長する前に抜け落ちてしまうことが原因です。AGA治療薬には、このヘアサイクルを正常な状態に戻す効果があります。

治療によってヘアサイクルが正常化し、太く健康な髪が生え揃っても、AGAの原因そのものがなくなるわけではありません。

AGA治療を中断して薬の効果が切れると、また薄毛が進行してしまいます。

AGA治療は、薄毛という症状が出ている間だけ治療すれば良いというわけではありません。治療を中断すると、再びヘアサイクルが乱れ、薄毛が進行してしまう可能性が高いことを理解しておきましょう。

AGAの再発のリスクとその理由

AGA治療の中断によって薄毛が再発するリスクは、AGAの原因である男性ホルモンと深く関係しています。

ジヒドロテストステロン(DHT)がAGAの原因

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、毛母細胞中の5αリダクターゼという酵素と結びつくことで、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このDHTがヘアサイクルを乱し、薄毛を進行させる原因物質です。

AGA治療薬の多くは、DHTの生成を抑えることで効果を発揮します。AGA治療薬には、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬と、ミノキシジルなどの外用薬があります。これらはDHTの生成を抑制したり、毛母細胞の働きを活性化したりすることでヘアサイクルを正常化し、髪の毛の成長を促進する薬です。

フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルの効果は日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で詳しく説明されています。

しかし、薬の効果は一時的なものです。治療を中断してしまうと、再びDHTが生成され始め、ヘアサイクルが乱れて薄毛が再発してしまいます。

例えば、フィナステリドは5αリダクターゼを阻害することでDHTの生成を抑えますが、服用を中止すると5αリダクターゼの働きが再び活性化し、DHTが生成され始めます。

AGA治療は早めの受診と根気強く継続することが大切

AGA治療は、薄毛の進行を食い止め、健康な髪の毛を維持するための長期的な取り組みです。 AGA治療は、短期間で効果が出るものではなく、個人差はあります。効果を実感するまでに数ヶ月から数年かかる場合もあります。

治療を継続することで、ヘアサイクルが正常化し、髪の毛の成長を促進できますが、AGAの原因そのものがなくなるわけではありません。 そのため、治療を中断すると、再び薄毛が進行する可能性があります。

AGA治療は、医師の指示に従い、継続して行うことが重要です。 定期的な診察を受け、自分の状態に合った治療法や服用方法を相談しながら、安心して治療を続けていきましょう。

また、AGAは治療が遅れると、薬の効果が出にくくなるため早期治療が大切です。薄毛が気になっている方は早めにクリニックを受診し、適切な治療でAGAの進行を遅らせるようにしましょう。